パパの日記(2月3日:5日目)
今日は今回唯一の、そして待望のオフだった。スペインの次の訪問国は米国なのだが、アリカンテからは直行便はない。どこの都市経由で米国に向かうかが僕にとっては大問題だった。貴重なオフの1日をどこで過ごすことになるかってことだからね。
今回はスターアライアンス縛りなので、次の4都市の選択肢しかなかった。コペンハーゲン、フランクフルト、アムステルダム、マドリッド。どの都市も魅力的だったが、迷わず一番暖かそうなマドリッドにした。出張が春から秋だったら、なかなか決められなかったと思う。
アリカンテからマドリッドまでは1時間のフライト。そしてマドリッド空港からホテルまでは、地下鉄を3本乗り継いだ。この地下鉄、2004年に列車爆破テロがあったものだ。結局なんだかんだでホテルに着いたのは11時になってしまっていた。荷物を置いて、さあ街中の植物散策のスタートだ。(と言っておきながら、こちらは帰国後に画像を整理してまとめて報告します。あしからずご了承ください。)
天気はあいにくの曇り。それも今にも泣き出しそうな空だ。情熱のスペインは、いつも青空であって欲しい。日中の気温は8℃。思ったより寒い。おまけに北風まで吹いていやがる。当てが外れた。まずは公園や植物園を散策したが、寒い寒い。
と、前から歩いてきた二十歳ぐらいのお兄さんに、突然笑顔で『Hola!(オラ)』と声をかけられた。思わず後ろを振り返ったけど、誰もいない。そのお兄さんはしっかり僕の顔を見て、ニコニコしながらすれ違っていった。どうもスペインでは、知らない人にも挨拶をする習慣が残っているらしい。心がほんわかした。日本でも山歩きをする時には、『こんにちは』って見知らぬ人同士でも挨拶するよね。僕はスペインがまた少し好きになった。
異国の都市を散策する楽しみは、植物ばかりではない。僕は絵心は全く無いが、30歳を過ぎた頃から、絵を見るのは好きになった。だから絵と人の距離がとても近い、外国の美術館は大好きだ。もちろん有名な絵を一度にたくさん見れるって理由もあるけどね。で、冷えた身体を温めに入ったのがここ、プラド美術館だ。
ちょうど何かの特別展をやっていたらしく、長い行列ができていた。寒いし、時間を無駄にしたくないし、一刻も早く中に入りたい僕は、常設展のみを見ることにした。宗教画ばっかりだなというのが、第一印象。かなり残念だった。僕は宗教画には全く興味がないからだ。足早に、お目当てのゴヤの『着衣のマハ』と『裸のマハ』を探した。
一部屋の角のところに、ちょうど直角に斜めに向き合うように2枚の名画が飾られていた。左には『着衣のマハ』、右には『裸のマハ』。どちらのマハのほうが魅力的かって聞かれたら、『裸のマハ』だと思った。『着衣のマハ』には無い、男の心を見透かすような視線を感じたからだ。これまで僕は裸婦の絵にも全く興味がなかったんだけどね。同じポーズで比較の対象があると、裸婦の見方も変わるものらしい。ちょっとした発見だった。でも、もし裸と着衣の中間の段階の絵があったら、もっと魅力的なんじゃないかと、ついつい僕は不謹慎な想像をしてしまった。
プラド美術館で他に印象に残ったのは、晩年のゴヤの一連の『黒い絵』達だった。この日は気分的にじっくり見る気持ちにはなれなかったけど、凄い力を感じたからだ。いつの間にか3時を過ぎていた。ランチにせねば。
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