« パパのマドリッドレポート16 | トップページ | パパのマドリッドレポート18 »

2007年2月28日 (水)

パパのマドリッドレポート17

この記事はこの間のリアルタイム海外レポートを再編集したものです。後でカテゴリーを続けて読んでくださるかもしれない方のために、マドリッドレポートの時系列を合わせておきたいからです。

3_36

異国の街を散策する楽しみは、植物ばかりではない。僕は絵心は全く無いが、30歳を過ぎた頃から、絵を見るのは好きになった。だから、絵と人の距離がとても近い外国の美術館は大好きだ。もちろん有名な絵を一度にたくさん見れるって理由もあるけどね。で、王立植物園で冷えきってしまった身体を温めるために入ったのがここ、かの有名なプラド美術館だ。

2_71

現在は開かずの門となっている正面玄関には、フェリペ4世に仕えた宮廷画家のベラスケスの像がある。なかなかイケメンだった。

1_46

ちょうど何かの特別展をやっていたらしく、長い行列ができていた。寒いし、時間を無駄にしたくないし、一刻も早く中に入りたい僕は、常設展のみを見ることにした。宗教画ばっかりだなというのが、第一印象。かなり残念だった。僕は宗教画には全く興味がないからだ。そこで足早に、お目当てのゴヤの『着衣のマハ』と『裸のマハ』を探した。

一部屋の角のところに、ちょうど直角に斜めに向き合うように2枚の名画が飾られていた。左には『着衣のマハ』、右には『裸のマハ』。どちらのマハのほうが魅力的かって聞かれたら、『裸のマハ』だと思った。『着衣のマハ』には無い、男の心を見透かすような視線を感じたからだ。これまで僕は裸婦の絵にも全く興味がなかったんだけどね。同じポーズで比較の対象があると、裸婦の見方も変わるものらしい。ちょっとした発見だった。でも、もし裸と着衣の中間の段階の絵があったら、もっと魅力的なんじゃないかと、ついつい僕は不謹慎な想像をしてしまった。

プラド美術館で他に印象に残ったのは、晩年のゴヤの一連の『黒い絵』達だった。この日は気分的にじっくり見る気持ちにはなれなかったけど、凄い力を感じたからだ。いつの間にか3時を過ぎていた。ランチにせねば。

僕はスペイン語が全く分からない。だからスペインでは何かにつけ弱気になってしまう。自力で食事にありつくのも一苦労だ。プラド美術館を出たはいいものの、どのレストランに入るかを決めるだけでも一大事。既に足が棒になっていた僕は、ゆっくり腰を下ろして食事をしたかった。しかしもうとっくに3時を回っていたため、どこのレストランも既に満席になっていた。スペインのランチタイムのピークは3時前後なのだ。う~、出遅れた~。

『仕方がない。食料品屋さんで生ハムサンドでも買って食べるか。』、そう思ってお店に入ってはみたものの、席は一杯。外は寒いし疲れていたしで、とてもテイクアウトする気にはなれなかったので、ずら~っと並んだ生ハムの写真だけ取らせてもらって店を出た。あのイベリ仔豚、いやイベリコ豚の生ハムが、たったの2100ユーロ/kg。日本に買って帰りたいぐらいだが、それは検疫上許されない行為だ。残念!

2_72

1_26  3_24

さて、どうしよう。どのレストランも一杯だし。と、目に入ったのが、お馴染みの黄色いのマーク。少しは席が空いていた。海外でわざわざマクドナルドに入るのはちょっと抵抗があったが、背に腹は代えられない。意を決して店内に入った。が、僕の目は男性が飲んでいる透明のカップの中の茶色の液体に釘付けになってしまった。そしてその液体には若干の白い泡が。まさか、マクドナルドでビール? 半信半疑のままメニューの看板を見てみると、そこにはしっかりとCerveza(ビール)の文字が!

1_28

『よっしゃーっ、ビールと写真付きのメニューを見て何か頼めばいいや。』、僕は張り切ってレジカウンターの前の行列に並んだ。もうじき僕の番になるというところでカウンターの上を見てみると、写真付きはおろかメニュー自体が無い。『そんなー、どうやって頼めば良いんだ。』、混んでる店内で後ろから大勢の冷たい視線を浴びたくなかった僕は、すごすごと店を出た。こうなったら仕方がない。最後の手段は、外国人の利用が多い駅構内のレストランだ。僕は近くのAtocha駅に向かった。そうしたら駅構内にこんな光景が広がっていたのだ。

1_47

2_73

相当に広いスペースが、まるで植物園の温室のようになっていたではないか。ご丁寧に池まである。そこここで時間を潰している人達も、心なしかリラックスしているように見えた。冬が寒くなければ、こういうスペースはあまりありがたがられないだろうけど、結構良いものだ。

4_15 3_26

結局、この緑を見ながら僕は写真付きメニューを見て頼んだ遅い昼食にありついた。ふと床を見ると、パン切れを失敬するスズメが2羽。どうもここで暮らしているらしい。緑は多いし、天敵はいないし、雨にもあたらず、暑過ぎもせず、寒過ぎもしない、餌も十分ある。それに池まであるのだ。このスズメ達はきっと、楽園に迷い込んだとでも思っているんだろうな。僕は何だかちょっとスズメ達がうらやましくなってしまった。

『そういえば、日本ではいつからマドリードをマドリッドと呼ぶようになったんだろう?』、そんなことを考えながら、遅いランチを食べたAtocha駅を後にした。既に4時半を回っていた。日没まで、あと1時間ちょっとだ。一旦ホテルに戻りかけた僕だったが、娯楽の殿堂を見たくなり、いやドン・キホーテ像を一目見たくなって踵を返し、駅から3km離れたスペイン広場に向かった。

1_51

昼間から何となく変な感じがしていたのだが、今日は何か大きなイベントが催されるようなのだ。あたりが徐々に暗くなるにつれ、この街のアドレナリンの分泌量が増えてきた感じがする。『絶対にこれから何かが始まるぞ。今日は何かの記念日か?』。パトカーが走り回るは、先ほどまでは車が走っていた大通りが歩行者天国になっているは、人々がある方向に足早に進んでいくはで、ただならぬ喧騒の中を僕は地図を片手にスペイン広場を目指した。『国旗を持っている人が結構いるぞ。おいおい、おばあちゃんまでそんな格好をして。ひょっとして独立記念日? それともお祭り? これって大スクープかも。』。思ってもいなかった場面に遭遇し、街の興奮が僕にまで移ってしまったようだ。

2_76

マドリッドの中心街を歩いてみて感じたのは、道が狭くて曲がりくねっていて見通しがきかないこと。いったんこの街に飲み込まれてみると、たちまち方向感覚が失われてしまう。

Photo_179

地図を片手に最短距離でスペイン広場を目指した僕だったが、思った通りには進めない。こんな経験は生まれて初めてだ。『この調子で日没までにホテルに戻れるのか? 暗がりで興奮した誰かに絡まれたりしないだろうか?』、自分の居場所すら分からなくなった僕は、ちょっと不安になってきた。と、突然目の前が開けた。

3_38

4_24

1_48

『マヨール広場だ。これで今の場所がわかった。』、ほっとした僕は、少し余裕を取り戻した。『これがフェリペ3世像だな。それにしてもこのイベント会場と人の集まりは、何なんだ?』、僕はスペイン語が全く理解できないので、あたりの人に訊くことすらできない。夜になったら大きなイベントが行われることだけは確かだ。どんどん人がこの広場に集まってくる。

2_74

大きな疑問を残したまま、僕は改めて地図を見直した。そしてドン・キホーテ像の待つスペイン広場を目指すために、人の流れに逆らいまた露地に足を踏み出した。

花・ガーデニングの人気blogランキングに参加しています。

ここを1日1回クリックしてくださるとランキングに反映されます。

応援ありがとうございます。

|

« パパのマドリッドレポート16 | トップページ | パパのマドリッドレポート18 »

海外レポート2007」カテゴリの記事

コメント

パパの息子さん、こんにちは。海外の珍しい写真や話題を楽しみにしています。向こうでの生活が落ち着いたら、どんどん情報発信して下さい。

投稿: パパです。 | 2007年3月 1日 (木) 05:09

こんにちは。先日は私の新しい秘密基地においでくださってありがとうございました。
大体行く日がやっとこ決まったので、また後日連絡します。

ブログ応援してますので、がんばってください。

投稿: パパの息子 | 2007年2月28日 (水) 14:01

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/179584/14046358

この記事へのトラックバック一覧です: パパのマドリッドレポート17:

» 冬咲きクレマチスとは [クレマチス 販売 育て方 苗通販 モンタナ 冬咲き]
クレマチス品種>冬咲きクレマチス春夏の花のイメージが強い、クレマチスの中には冬に花を咲かせる品種がいくつかあります。このところ とても人気が高くなっています。初めて観たときは、なんで冬に?と驚いたものです。冬咲きクレマチスの魅力と特徴つる性植物で冬に花を咲かせるものは少ないのですが、冬咲きクレマチスは寒さにも強く、安心して栽培でき、たくさん花が楽しめます。庭の寂しい季節に、フ�... [続きを読む]

受信: 2007年3月16日 (金) 15:20

« パパのマドリッドレポート16 | トップページ | パパのマドリッドレポート18 »